行政書士試験対策:憲法についてよく知ろう

 

 

 こんにちは、管理人の駆け出しSEです。

 行政書士試験の試験科目で憲法で「行政法」「民法」に次いで配点が高いのが「憲法」です。

 では、そもそも「憲法」って何?と説明を求められた場合はどうでしょうか。行政書士試験の学習前の管理人は「憲法は日本国内で適用される最も強いルール」程度しか認識が無かったです。

 出題される科目について詳しくなればなるほど、「資格試験の攻略」は容易くなります。

 憲法の頻出を調べると、行政書士試験の憲法は、人権は判例からの出題が多く、統治は条文からの出題が多いと聞いたことがあると思います。本記事を最後まで読めば、何故「人権は判例からの出題が多く、統治は条文からの出題が多い」かについてを理解できます。

 

そもそも憲法とは

憲法は日本国内で適用される最も強いルール」という周知の事実ですが、最も強いルールの根拠は憲法が自らを最も強いルールであるとして宣言していること「最高法規」という言葉がキーワードとなります。

第十章 最高法規
第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
第九十八条 の憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
② 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ

※日本国憲法 抜粋

 「最高法規」とは言葉のとおり「法体系のなかで,最も強い形式的効力をもつ法のこと」で第九十八条の条文の中で、憲法に反する法律は無効と決めています。「憲法」>「法律」の強弱関係を明確に示している訳です。

 そしてよく聞くのは、憲法は国家権力から国民を守る」ということ。国家権力から守るの条文は他にもたくさんあります。

第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない
第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

※日本国憲法 抜粋

 前述の条文は「そんなことは当たり前のものと思われるでしょう。」ただしその「当たり前」は憲法によって保障されているわけです。ところで憲法は「国民を国家権力から守る」ものであるのに対し、法律は「国家権力が国民を縛るもの」とよく言われます。「守る」と「縛る」は相反する内容ですよね。そして先ほど、となります。先ほど「憲法に反する法律は無効」と決められているはずなのにどうして、国民を縛るような法律は存在するのでしょうか。

憲法は国家権力から国民を守るもの、法律は国民を縛るもの

 なぜ、国民を縛る法律は存在し得るのかについては憲法でよく聞く「公共の福祉」を学ぶと良く分かります。公共の福祉とは、各個人が自分の人権を確保するために、相互に矛盾や衝突を起こした場合に調整するための原理のことです。

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第二十二条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。
② 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

例えば、マスコミには報道の自由がありますが、事件の遺族や加害者の家族のプライバシーも守られるべき権利です。
他にも感染症などにより、入院を余儀なくされ自由を制限されますが、それは周りの人の健康的な生活を送るための権利を守るために制限されます。

 このように無制限に憲法の権利が守られるわけではなく、他の人の権利を害さない程度に権利を制限され調整されるわけです。

 

 そして、制限=縛るためのルール作りとして、法律が出てくるのです。つまり、一見憲法は「国民を国家権力から守る」ものであるのに対し、法律は「国家権力が国民を縛るもの」と真逆のことを言っている風に見えますが、根本的な部分には「国民の権利を守るため」存在しているのです。そして法律は国民の権利を守るための調整するために縛るルールが多いことから、法律は「国家権力が国民を縛るもの」と言われるのでしょう。

人権は判例からの出題が多い

 人権の種類には「自由権」「社会権」「参政権」「受益権」などがあります。それではどうして行政書士試験の人権は判例からの出題が多いとされるのでしょうか。

 それは、人権の条文が抽象的であるからです。例えば、憲法二十五条では、「文化的な最低限度の生活を送る権利を有する」とあることから具体的な権利として付与されているのか。例えば、二十五条を根拠に「最低限の生活費〇万円ください。」といったような主張が認められるかどうか。抽象的に書かれているからこそ憲法の条文の中に答えが無いので「具体的な権利としてあるのだろう?」や「最低限の生活費をください」といった主張も出てくるのです。

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

そこで、抽象的な部分を補助するのが法律や裁判の判例が当てはまります。例えば先ほどの憲法25条1項は「すべての国民が、健康で文化的な最低限度の生活を営みうるように国政を運営すべきことを国の責務として宣言したにとどまり、直接個々の国民に対して具体的権利を付与したものではない」(最大半昭42.5.24)とあるように条文の抽象的な部分を判例で補っています。そのため出題についても、判例の知識を求める問題が必然的に多くなるのです。

統治は条文からの出題が多い。…が最近の出題傾向からは要注意

 一方で統治については、条文からの出題が多いといわれています。なぜなら、統治については具体的に書かれているものが多く、そもそも判例の数が「人権」と比較して少ないのが理由となります。以下は統治の国会に関する条文になります。読んでみてのとおり、具体的に書かれていますよね。判例等で補足する必要もなく出題する側にしても、条文の知識を問うことが中心になるのは必然と言えるでしょう。

第五十二条 国会の常会は、毎年一回これを召集する。
第五十三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
第五十四条 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
② 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
③ 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

 

ただし、統治の条文で判例の出題がないかというと、「令和元年度」では2題「平成31年度」は1題と判例の知識を問う問題が出題されました。

覚えるべき判例が少ないだけで、今までの「統治=条文知識」という方程式には近年の傾向から注意が必要です

 

まとめ

 行政書士試験の憲法を学ぶ上で、まずは法体系の「最高法規」であり、「国家権力から国民を守るためのもの」であることを念頭に置いて学習していくとよりスムーズに学習が進められると思います。

 そして、憲法の出題については人権は判例からの出題が多く、統治は条文からの出題が多いという理由は条文の作り方によります。抽象的であればあるほど、補うための判例等も多く、判例の出題が多くなります。具体的であれば、補うための判例等は必要ないため、問題を作るにしても条文が中心になります。

 人権は抽象的な条文が多いから判例の出題が多く、統治は具体的な条文が多いから条文に関する出題が多いと認識で覚えていただければと思います。ただし、近年は統治の条文の中でも判例の知識を問うものが多くなっているので注意が必要です。

 

 試験科目について知れば知るほど、攻略の難易度は下げることができます。

 今回の記事が少しでも役に立てれば幸いです。

 最後まで読んできただきありがとうございました。

 

 

 

 

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