行政書士は食えないは嘘!他業種の廃業率の平均を下回っていた件について

 「行政書士は人数が多いから食えない」という説を聞いたことがあると思います。

 

 これから行政書士を目指そうとしている中、そういった話があると不安になりますよね。

 

 今回は行政書士は食える資格なのか。食えない資格なのか。調査しました。

 

行政書士は食えないは嘘⁉実は廃業率の平均値を下回っていた件について

 ツイッターを検索していると行政書士の廃業率について興味深いツイートがありました。

 

 日本行政(行政書士の機関誌)を読むと月の廃業者数は60名~100名前後で推移しているようです。
参考:月刊 日本行政 | 日本行政書士会連合会 (gyosei.or.jp)

 

 その当時の行政書士の人数が47,000人いらっしゃり、多く見積もって100名の方が廃業されたとしたら年間1,200名の方が廃業されたことになるのです。

 

 ●行政書士の廃業率:1,200÷47,000×100=2.55%
 
 

 計算すると、行政書士業界の廃業率は2.55%です。

 

 それでは、この「2.55%」は廃業率は高い数値なのでしょうか。

 

 中小企業庁が統計を取っている「2020年度版 中小企業白書」によると全業種の平均廃業率は3.5%です。

引用元:中小企業庁:2020年版「中小企業白書」 第1部第3章第1節 企業数の変化と開廃業の動向 (meti.go.jp)

 行政書士の廃業率の2.55%は平均と比較して1%弱下回っていることが分かりました。

 

 「行政書士は食えない。」かもしれませんが、平均より1%弱下回っているので少なくとも他の業種で起業するよりも食えなくはないことが読み取れます。

 

行政書士云々ではなく、事業を起業するということが難しい

 

 

 結局のところ、「行政書士だから食べれない」ではなくて、事業として起業するということが難しいから食べれない訳です。

 

 むしろ、行政書士試験を突破など行政書士となるためには資格が必要な分参入制限があるからこそ平均値よりも廃業率が低いのかもしれません。

 

 法律系国家資格では難関であればあるほど、また合格率が低ければ低いほど参入制限があるので、弁護士や司法書士、社会保険労務士等と比較すると廃業率が高いのはある意味しょうがないとも言えます。

事業を起業するなら成功するための戦略を練る必要があり

 「行政書士試験」を突破したからすぐに起業しよう。

 

 起業するための戦略はきちんと練れていますか?

 

 先ほどを他の業種に例えると「美味しいラーメンが作れるから、ラーメン屋を開こう!」というのとまったく同じです。

 

 「美味しいラーメンであれば、食べて貰えればリピータとなったり、また口コミで広がって繁盛するかもしれません。」

 

 ただし、ラーメンがいくらおいしくても知ってもらえなければ、お客様は来ません。

 

 行政書士も同じで、「行政書士試験に高得点で合格した。」「実務研修を受けてバッチリだ!」となったとしても、そこに行政書士事務所があることを知らなければ、お客様は来てくれません。

 

 そして、行政書士事務所として何ができるのか?という点もお客様に知ってもらわなければいけません。

 

 私は「行政書士試験」の受験を決めるまで、行政書士はどういった仕事をするか分かりませんでした。そして行政書士は何をするのか知らない人が大多数いると思います。

 

 そのため、行政書士として開業するとして次の事項は最低限押さえておきたい所です。

 
①ここに行政書士事務所があります。
 
 
 
②この行政書士事務所は〇〇の仕事をしています。
 
 
 
③〇〇の仕事でお客様に〇〇の利益を提供できます。
 
 

 

 先ほどのラーメン屋の例に例えると、①ここにラーメン屋があります。②おいしいラーメンを提供する仕事をしています。③名物の醤油ラーメンで幸せな気持ちを提供できます。

 

 ちょっと無理やりですが、①~③をラーメン屋に例えました。お客様の立場になって考えてみると、①だけだとまずお店に行かないですよね?②が付いて知ったとしてもおそらくいかないです。③のお客様に利益を提供できるからこそ「それじゃ、行ってみようか」となると思います。

 

 行政書士だけでなく、どの業種で起業したとしてもまずは知ってもらって、仕事をいただいて、価値を提供できなければ、いずれは廃業になります。

 

結論:行政書士だから食えないというわけではない

 今までの話をまとめると次のようになります。

 

・「行政書士」だから食えないというわけではなく、起業することが難しい

・平均の廃業率を下回っており、他業種と比較すると食える職業

・他の士業と比較して、食えないというのは合格者が少なく参入に制限があるため、行政書士より難関で、合格者数も少ないような資格は行政書士より食えるというのはある意味当然

・むしろ、行政書士も行政書士試験を突破する等参入に制限があるので、多少恩恵を受けている

 

以上となります。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

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