行政書士になるには【行政書士になる手順を徹底解説】

 行政書士になりたいけど行政書士になるにはどうすれば良いのか。

この記事では、行政書士なるにはどのような手順でなることができるのか徹底解説します。

 行政書士になるには、次の2つの手順を踏んでいく必要があります。

①行政書士となる資格を有すること(行政書士法第二条)
②行政書士名簿に登録(行政書士法第六条)

それでは行政書士となるための手順について具体的に解説していきます。

①行政書士となる資格を有すること

行政書士となるためには次の6つの条件のうち、いずれかを満たす必要があります。

  1. 行政書士試験に合格した人
  2. 弁護士となる資格を有する人
  3. 弁理士となる資格を有する人
  4. 公認会計士となる資格を有する人
  5. 税理士となる資格を有する人
  6. 国または地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間、及び行政執行法人または特定地方独立行政法人の役員または職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上になる人

 ここで、他の資格を取れば、行政書士の資格も取得することができるので、一石二鳥と思われるとも思います。

 ただ、後述で説明していきますが、結論として、行政書士になるには、「行政書士試験」に合格することが一番の近道です。

(資格)
第二条 次の各号のいずれかに該当する者は、行政書士となる資格を有する。
一 行政書士試験に合格した者
二 弁護士となる資格を有する者
三 弁理士となる資格を有する者
四 公認会計士となる資格を有する者
五 税理士となる資格を有する者
六 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び行政執行法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項に規定する行政執行法人をいう。以下同じ。)又は特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して二十年以上(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校を卒業した者その他同法第九十条に規定する者にあつては十七年以上)になる者
引用元:行政書士法 | e-Gov法令検索
 
 

資格を有する方法① 行政書士試験に合格すること

 行政書士になるための資格を有する方法の1つとして、まずは行政書士試験に合格する方法があります。

 行政書士のとなる資格を有するには、行政書士試験に合格するのが一番の近道に言えます

📘行政書士試験について
<試験実施日>
・11月の第2日曜日 午後1時から午後4時まで
<受験資格>
・年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験可能
<出題内容>
・五肢択一式、多肢選択式、記述式
<出題科目>
・基礎法学、憲法、民法、行政法、商法・会社法、政治・経済・社会、情報通信、文章理解
<標準学習時間>
・600時間~1000時間
<合格基準>
・行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
・行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
・試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
試験実施機関HP:一般財団法人 行政書士試験研究センター (gyosei-shiken.or.jp)

 

資格を有する方法② 弁護士となる資格を有すること

 行政書士となる資格を有するには、弁護士となる資格を有する場合も行政書士となることができます。ただし、弁護士となる資格を有するためには、原則として、司法試験に合格して、司法修習を終了することで弁護士としての資格を有することができます。特例として「法務大臣の認定を受けた者に弁護士資格が付与される制度」があります。
 
 いずれにしても、司法試験を受験するにしても「法科大学院課程の修了者及び司法試験予備試験の合格者」の要件を満たし、学習時間も行政書士試験に合格するための何倍も学習する必要があります。
 
 更に、10か月間の実務修習と、司法研修所における2か月の集合修習の合計12か月の司法修習を終える必要があります。
 
📘司法試験について
<試験実施日>
・毎年5月に合計4日間
<受験資格>
・ 法科大学院課程の修了者及び司法試験予備試験の合格者
<出題内容>
・論文式、短答式
<出題科目>
・(論文式)公法系(憲法・行政法)、民事系(民法・商法・民事訴訟法)、刑事系(刑法・刑事訴訟法)、選択科目(労働法・倒産法・知財法・経済法・租税法・環境法・国際公法・国際私法より選択)
・(短答式)憲法、民法、刑法
<標準学習時間>
・3000時間~8000時間
<合格基準>
・例年総合得点1400点中820点前後
試験実施機関HP:法務省:司法試験 (moj.go.jp)
 
 
 

資格を有する方法③ 弁理士となる資格を有すること

 弁理士となる資格を有する場合も行政書士となることができます。弁理士となる資格を有するためには弁理士試験を合格するの

📘弁理士試験について
<試験実施日>
・短答式試験:5月中旬~下旬(土・日いずれかの日)
・論文式試験:必須科目 6月下旬~7月上旬、選択科目 7月下旬~8月上旬
・口述試験:10月中旬~下旬
<受験資格>
・ 年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験可能
<出題内容>
・短答式、論文式、口述
<出題科目>
・(短答式)特許法(17問)、実用新案法(3問)、意匠法(10問)、商標法(10問)、条約(10問)、著作権法(5問)、不正競争防止法(5問)
・(論文式)
必須科目:工業所有権(特許・実用新案、意匠、商標の3科目)に関する法令から出題
選択科目:出願時点で理工Ⅰ、理工Ⅱ、理工Ⅲ、理工Ⅳ、理工Ⅴ、法律の中から一つ選択
(口述)工業所有権(特許・実用新案、意匠、商標の3科目)に関する法令に関する試験を面接
<標準学習時間>
・3000時間
<合格基準>
・短答式:満点に対して 65%の得点
・論文式(必須科目):標準偏差による調整後の各科目の得点の平均(配点比率を勘案して計算)が、54点を基準として口述試験を適正に行う視点から工業所有権審議会が相当と認めた得点以上であること。ただし、47点未満の得点の科目が一つもないこと。
・論文式(選択科目):科目の得点(素点)が満点の60%以上であること。
試験実施機関HP:弁理士試験 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)
 
 

資格を有する方法④ 公認会計士となる資格を有すること

公認会計士となる資格を有する場合も行政書士となることができます
 
📘公認会計士試験について
<試験実施日>
・短答式試験:年2回 (第1回)12月上旬(第2回)5月下旬
・論文式試験:8月下旬(3日間)
<受験資格>
・ 年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験可能
<出題内容>
・短答式試験、論文式試験
<出題科目>
・(短答式試験)財務会計論、管理会計論、監査論、企業法
・(論文式試験)会計学(財務会計論及び管理会計論)、監査論、企業法、租税法の必須4科目と、「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の中から選択1科目
<標準学習時間>
・3500時間
<合格基準>
・短答式:4科目の総点が概ね70%以上を超えていること。
・論文式:5科目の総点が概ね52%以上を超えていること。
試験実施機関HP:公認会計士・監査審査会/公認会計士試験 (fsa.go.jp)
 
 

資格を有する方法⑤ 税理士となる資格を有すること

税理士となる資格を有する場合も行政書士となることができます

📘税理士試験について
<試験実施日>
・例年8月中旬(3日間)
<受験資格>
・ 大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者、日本商工会議所主催簿記検定試験1級合格者等(詳しくは、受験資格について|国税庁 (nta.go.jp)に要件が書いてあります。)
<出題科目>
・会計学2科目(簿記論、財務諸表論)税法9科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税)
<標準学習時間>
・3000時間
<合格基準>
会計学2科目(簿記論、財務諸表論)及び税法9科目のうち、(所得税法、法人税法)から1科目(相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税)から2科目の合計5科目で各科目とも満点の60%
試験実施機関HP:税理士試験|国税庁 (nta.go.jp)
 

資格を有する方法⑥公務員等で行政事務を20年以上担当する

公務員等で行政事務を20年以上担当する場合も、行政書士となる資格を得ることができます。
 

行政書士となる資格を有するための一番の近道は行政書士試験に合格すること

 行政書士となる資格を有するためには、

  • 行政書士試験に合格した人
  • 弁護士となる資格を有する人
  • 弁理士となる資格を有する人
  • 公認会計士となる資格を有する人
  • 税理士となる資格を有する人
  • 国または地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間、及び行政執行法人または特定地方独立行政法人の役員または職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上になる人

のいずれかを満たす必要があります。

弁護士、弁理士、公認会計士、税理士ともに行政書士試験に合格するために必要な標準学習時間600〜1000時間と比較して、どの資格も標準学習時間を3000時間を超えています。

また、公務員等として、行政事務に従事する場合は、18年から20年と多くの時間を費やします。

 

そうなると、現実的に行政書士に最短でなるためには「行政書士試験に合格」するのが一番と言えるでしょう。

行政書士試験の概要

 
学習期間や難易度から行政書士試験に合格するのが一番の近道であることを説明しました。
 
それでは行政書士試験はどのようなものなのか見ていきましょう。
 

受験資格

年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。

📝令和2年度の行政書士試験では、最年少は15歳、最年長は76歳の方が合格しています。
📝申込者では最年少は12歳、最年長は96歳の方が申込をしています。
 
 

万人に受験の機会が与えられている資格と言えます。

 

試験日・時間・場所

・例年11月の第2日曜日 午後1時から午後4時まで
・住所に関係なく、全国の試験場で受験可能。

📝行政書士試験は年に1回の試験
👉なお、試験日については「平成11年自治省告示第250号」の「行政書士試験の施行に関する定め」について定められていますので、変更がない限りは試験も年1回、11月の第2日曜日 午後1時から午後4時となります。
総務省|行政書士制度|平成11年自治省告示第250号 (soumu.go.jp)

📝受験場所について
👉極端な話、北海道に住んでいる人が沖縄県で受験することが可能です。

 
 

試験科目と内容等

・「行政書士の業務に関し必要な法令等」(出題数46題)
・「行政書士の業務に関連する一般知識等」(出題数14題)

📝「行政書士の業務に関し必要な法令等」について
👉憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題し、法令については、試験を実施する日の属する年度の4月1日現在施行されている法令に関して出題されます。

📝「行政書士の業務に関連する一般知識等」について
👉政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解

 
 

試験の方法

試験は、筆記試験によって実施されます。
出題の形式は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択一式及び記述式、「行政書士の業務に関連する一般知識等」は択一式で出題されます。

📝「行政書士の業務に関し必要な法令等」の出題形式について
👉択一式は、5肢択一式問題が40問、多肢選択式問題が3問、記述式が3問出題されます。

📝「行政書士の業務に関連する一般知識等」について
👉択一式は、5肢択一式が14問出題されます。

📝「行政書士試験の配点」について
👉択一式  5肢択一式 1問につき4点、多肢選択式 1問につき8点 空欄(ア~エ) 一つにつき2点
👉記述式  1問につき  20点
行政書士試験の配点については、次の記事で詳しめに解説しています。

行政書士試験の出題範囲や配点について

 
 

合格基準

行政書士試験の合格基準は次のとおりとなります。

次の要件のいずれも満たした者を合格とします。
①行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
②行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
③試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
(注) 合格基準については、問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることがあります。
引用:行政書士試験研究センター

📝「行政書士試験の合格基準」について
行政書士試験の配点から合格基準に達するための得点は次の通りとなります。

👉行政書士の業務に関し必要な法令等科目:244点満点の50%=122点以上

👉一般知識科目:56点満点の40%=24点以上14問中6問正解する必要あり
👉試験全体:300点満点の60%=180点以上

📝「記述式が採点されない場合」について
行政書士試験は記述式抜きで次の得点の場合は記述式は採点されません。
👉記述式を入れないで法令科目と一般知識が合計120点に達しない場合
👉一般知識が24点に届かなかった場合

行政書士試験の合格基準点については次の記事で詳しく書いてますので是非見てください
行政書士試験の合格基準点について


 

記述式を入れないで法令科目と一般知識が合計120点に達しない場合
記述式を除いて択一式(法令科目と一般知識)の点数が120点未満の場合、記述式で満点の60点を取ったとしても合格基準点には届かないので、この場合足切りとなり記述式は採点されません。

一般知識が24点に届かなかった場合
一般知識科目で24点獲得できなかった場合も足切りとなり記述式は採点されません。
そのため、「204」点でも不合格になるケースが存在するのです。

 

そのため、行政書士試験で足切りにならないようにするためには一般知識科目でどうやって6問以上得点していくか戦略を練ることが大切となります。

行政書士試験の受験の手続きについて

試験案内の掲載・配布

・7月第2週の公示日からセンターホームページに掲載
・受験願書は、各都道府県庁や行政書士会などで配布される
・一般財団法人行政書士試験研究センターからも郵送してもらうことも可能

📝「7月第2週の公示日」について
👉「行政書士試験の施行に関する定め」によると公示は「7月の第2週に属する日」となっていますが、過去の公示日を分析すると月曜日に公示されることが多いようです。
詳しくは「行政書士試験の合格発表はなぜ長い?長い原因を調査しました! | 行政書士試験を独学で合格する方法 (kakedasi-se.info)」に記載しております。
 
 

受験申込みの受付

  • インターネットによる申込み:7月下旬から8月下旬まで
  • 郵送による申込み:7月下旬から8月下旬まで

※インターネットによる申込の方が期限が少し短めになっています。

 
📝「受験申込み」について
👉郵送による場合は、受験願書に同封された封筒を用い、簡易書留で郵送
👉インターネットによる場合は、一般財団法人行政書士試験研究センターが解説したインターネット出願ページから出願

受験申込みに関する情報は次の記事に詳しめに記載していますのでご活用ください。
行政書士試験の申込方法~可能なかぎり費用は抑えよう~


 
 

受験手数料について

7,000円
 
📝「7月第2週の公示日」について
👉  郵送の場合は、試験案内に同封されている専用の振込用紙により、郵便局の窓口で払込
👉インターネットによる場合は、出願画面に従ってクレジットカード又はコンビニエンスストアで払込
 
 

受験票の送付

10月中旬~下旬

受験票には受験番号、試験場等が記載されています。

 
📝受験案内で提示されている期限を過ぎても受験票が届かない場合は、速やかに「行政書士試験研究センター」まで連絡しましょう。令和2年度は10月26日までに届かない場合でした。
 

試験の実施

・例年11月の第2日曜日 午後1時から午後4時まで

 

試験結果発表・合否通知書の送付

  • 翌年1月第5週に合格発表
  • 受験者全員へ合否通知書を送付
 
📝行政書士試験の受験日から合格発表まで期間は長いことについては次の記事に解説していますので、是非見てください❕
👉行政書士試験の合格発表はなぜ長い?長い原因を調査しました!

 
 

合格証の送付

2月下旬頃に簡易書留で行政書士試験の合格証が届きます。

行政書士試験に合格するための勉強方法

行政書士試験を半年・独学で合格した経験や近年の出題傾向の調査した結果から独学での勉強方法について執筆しております。

 独学で挑戦する場合は是非読んで見てください

行政書士試験の独学学習法

📒基礎法学
☑基礎法学の独学での学習方法について紹介しています
📒憲法
☑憲法の独学での学習方法について紹介しています
📒行政法
☑行政法の独学での学習方法について紹介しています
📒民法
☑民法の独学での学習方法について紹介しています
民法の独学学習法
📒商法・会社法
☑商法・会社法の独学での学習方法について紹介しています
📒政治・経済・社会
☑政治・経済・社会の独学での学習方法について紹介しています
📒情報通信
☑情報通信の独学での学習方法について紹介しています

 

学習のためのヒントを得るために資料請求してみよう

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対策としては、資料請求の申し込み事項に電話番号が必須でない所に申し込めば良いです。

 

通信講座側も、資料請求することでのプレゼントに力を入れているところも多く、クレアールとフォーサイトがおすすめです。

クレアールの非常識合格法


上記の2社は、資料請求時に電話番号の入力が必須ではなく、更に行政書士試験の勉強方法に関する書籍をプレゼントしており、資料請求のメリットが高いです。

 

 

行政書士試験は、とにかく学習時間を確保することが大切なので、スキマ時間を活用し、合格しましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

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