行政書士試験の学習にノートは使う?メモの有無に関する実験も踏まえ調査

 

 管理人の駆け出しSEです。

 皆さんは資格試験ではノートを取っていますか?

 小さい頃から「学習=ノートを取る」というイメージが定着していると思います。

 ネットで学習方法等の情報を集めると、まとめノートを取ることは必要という意見もあれば、不要で書き込む時間があるのなら、10回読む学習が効果的というのもありました。

 世の中にある資格の数は膨大で、ほぼ「読む」だけで対策できる資格や、必ず「書く」行為が必要な資格がありますので、資格に応じて対策は変わってきます。

 そこで、今回の記事は行政書士試験では「ノート」を取るべきかどうか。管理人の体験とノートを取るべきかどうかの情報収集を踏まえて調査しました。

 

結論=行政書士試験はノートはほぼ取らなくても良い

 学習でノートを取る目的は何でしょうか。

 パッと思いつく中では次のようなことが挙げられるのではないでしょうか。

・覚えるため
・思い出すため
・復習のため
・オリジナルの参考書の作成

 

日本の学習では小さいころから授業で「ノートを取る」ことで学習をしており、板書を写しノートを取るという行為により学習してきました。おそらく多くの方は「効果的な学習=ノートを取る」といった方程式ができているのではないでしょうか。

 行政書士試験では出題範囲の広さから、ノートに書き写す行為は時間が掛かりすぎるため、充分な対策を取れることなく試験に臨むことになる可能性が非常に高いです。

 ただし、行政書士試験で書く行為自体必要という意味ではなく、一部では必要となります。

 

 私が持っている資格の中で「簿記」の資格では数字を頭で計算して解いていくには量が多く、計算した数字等も余白にメモしなければ、最後まで、穴埋め等できません。このような資格では手を動かして書いて覚えていく学習の仕方が通常のパターンで、いわゆる書き写す作業が必須となります。

 一方で危険物乙四(※危険物取扱者乙類4種)では、計算問題でさえ頭の中で完結でき、ノートなどは一切取らなくてもひたすら参考書と問題集を読み込むだけの学習で合格できます

 行政書士試験では、ほぼノートを取らずに学習を進めることができる一方で、記述式の問題に取り組む際はある程度書く行為が必要になります。私の場合は、解答を構成する練習も兼ねて記述式対策の問題集を解いていく作業が必要とでした。記述式の問題の解答をノートに書き、記述式の問題集を解き終えた頃、解答を構成するイメージが何となく掴むことができたので、その後は記述式の問題集も読んで解く学習の形にしました。

 行政書士試験を受験し、実際に合格してきた経験からノートを取らなくて良いと思える根拠は次のようになります。

ノートをほぼ取らなくてよいという理由について

・覚えるため→参考書・問題集の読み込みで覚えることは可能、ただし記述式の対策については解答を構成する(※構成の仕方を覚える)訓練が必要となるため、ある程度書込みの作業も必要となる
・思い出すため→参考書・問題集の読み込みで対応可能
・復習のため→同上
・オリジナルの参考書の作成→市販のテキストのまとまりが良いため、コストパフォーマンスが良いとは言えない。

 

 また、ただノートをとるだけでは逆効果となるような実験結果も実はあります。

 

ただノートを取るだけでは逆効果

カナダのマウント・セント・ヴィンセント大学のミシェル・エスクリットとシエラ・マーは学生を集めてトランプの神経衰弱を用いた実験を行いました。
覚えるのにメモを使ってもいい学生と、使わずに覚える学生に分けて、覚えているかテストします。
ただし、メモを使っていい学生はテスト前にメモを没収されてしまいます。
そんな内容の実験をした結果「メモを取っていたグループのほうが、成績が悪かった」のです。
メモを取った学生たちは、記憶の貯蔵に外部形成の技術を頼るあまり、彼ら自身の神経のシナプスは、何もせずにいた。ということが実験の結果として判明したのでした。

 上記の実験結果から、単にメモを取るだけなら、メモを取らない方が学習効果として優れていることが判明した結果でした。ちなみになぜメモを取ったほうが成績が悪かったのかというと「グーグル効果」が働くからだそうです。

 

■グーグル効果とは
日経サイエンス2014年3月号『グーグル効果 ネットが変える脳』(D. M. ウェグナーらによる)は、インターネットの普及が、物事に対する私たちの「記憶しよう」とする衝動を極端に弱めているといいます。

 

 つまり、メモを取ることによって、人間の脳は「後から参照しよう」という気になってしまい、物事を記憶しなくなるようです。

 

 

 逆に「後から参照しよう」という気にならなければ、書いて覚えることも有効であることになります。実際に調べた結果、「書いて覚えるのが正しい」といった見解も見受けられました。

 

 

書いて覚えるのが正しいという意見も

 書いて覚える方が効果的といった意見として次のような根拠がありました。

・「書いて覚えることが効果的」とされる理由は、手を動かすためには大脳の約3分の1を使用していてるため、手を動かして覚えるということは、脳をフル活用して勉強することになるため。
・書いて覚える方が効率が良いのかというと、書く事で脳の『RAS』という注意力の司令塔とも言える重要な部位を刺激してくれるからです
※RASとは(Reticuler Activating System) は 「脳幹網様体賦活系」 と呼ばれるものでその機能取得は人が1秒に取り入れる40億ビットの情報から わずか認識できる2,000ビットをフィルタリングする機能です。つまり、情報をフィルタリングする機能を活性化させており、更に大脳を使用しているので覚えるのに効果的と言えます。

 書いて覚えることについて、大脳の約3分の1を使用しているため記憶に定着しやすいという意見にであり、学習の内容を必要とするという強い意思を強く持てる人(=学習の内容を2000ビットに入れ込む意志力がある人)は書いて覚える学習法も有効であるという意見になります。逆に後で見直そうという意識があるようであれば、ノートを取らない人に負けてしまうことになります。

 調べた結果、「書いて覚える方が効果的」という見解の方も単にノートを取るだけでは駄目という見識でした。 

 ノート作成には時間がかなり掛かりますので、時間辺りの学習範囲は読むのと比較して大幅に狭くなることでしょう。ノートで学習可能な狭い範囲をノートを取らない方と比較しても意識がかなり高くなければ、勝てないことになります。

 

ノートにこだわりすぎて大学に行けなかった管理人の体験記

 私は「非大卒」で行政書士試験に合格しましたが、「(※金銭上国公立のみで)大学」に行くことができなかったのでは単純に学力が足りなかったから、進学することができなかったのです。しかも勉強時間はかなり多いほうだと思います。

 原因は「ノート」を取っていたことが原因だと考えています。高校の授業スピードは小・中学の時と比較して、かなり早くなります。高校の授業だと板書をするスピードも速く、ノートを取るのにかなり苦労しました。当然、急いで書いたノートは汚かったので、書き直しの作業もしていました。日頃の学習は書く、とにかく繰り返して書くそうやって過ごしてきました。

 中学までは、とにかく書く学習方法で通用してきました。「全て書き終える時間」があったからこそ学習すべき範囲を学習し終えることができていたのです。その結果、地元でそこそこの進学校の進学することができていたのです。

 当然、高校での順位は下から数えた方が早い順位しか取ったことがなかったのですが、「努力していれば分かる日が来る」ことを信じて周りよりも多く学習したにも関わらず、学力は上がることなく高校を卒業しました。知識として定着させる回数を繰り返し学習することができていなかったので当然の結果と言えますが、とにかく書いていくという学習方法では時間が足りなかったのです。

 結局、書く学習をやめることができたきっかけが「結婚」して自宅での学習が難しくなり、通勤時間中で学習する際にノートを使わないようになってから、気付くことができました。

 とにかく書くという習慣は「小さいころから」刷り込まれているため、正しい効果的な学習法と信じている人が多いと思います。

 行政書士試験では、とにかく書くでは時間が足りません。書く作業が必要な所を見極めて学習しないと管理人の高校時代のように学習すべき範囲を網羅できることなく、試験に臨む形になってしまいます。ただし、記述式の対策では書く作業が最低限必要となるので、書く作業を全て無くすという意味ではありません。

 私の経験も踏まえて、学習の在り方について考えていただけたら幸いです。

まとめ

行政書士試験の学習をする際はノートはほぼ不要というのが管理人の見解です。

ノートを取る学習は机の上で作業しなければならず、場所が限定的になります。

働きながら試験範囲を網羅する学習をするとなると、書く作業を捻出することは難しいと思います。

経験上、とにかく書いて覚える学習方法だと試験範囲が膨大であればあるほど、通用しなくなります。そして行政書士試験もとにかく書いて覚えるという学習は通用するとは言い難い試験になります。

 

以上のことを踏まえて今後の学習の参考にしていただければ幸いです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

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