行政書士試験 勉強開始直後に本試験の過去問を解いた方が良いケースの人とその理由

はじめに

管理人の駆け出しSEです。

管理人は、「ビジネス実務法務検定2級」を取得していたので、いきなり過去問に通しで挑戦しました。

 

いきなり取り組むことに関する可否については色々な意見があると思いますが、管理人に取って、始めに過去問に取り組んだことは、短期間で合格する上で必要なプロセスだったので今回の記事で紹介します。

 

ビジネス実務法務検定とは
・ビジネス実務法務検定試験は、東京商工会議所主催の検定でビジネスパーソンがビジネスの場面に必要となってくるコンプライアンス・法令遵守能力の基礎となる実践的な法律知識を習得することを目的とした法律の資格です。
・試験範囲は民法、商法、会社法、独占禁止法、個人情報保護法、消費者保護法など多岐に亘っており、ビジネスにかかわる幅広い法律知識を広く浅く学習できるのがその特徴と言えます。
<2級の具体的な試験範囲>
・企業取引の法務
・債権の管理と回収
・企業財産の管理・活用と法務
・企業活動に関する法規制
・株式会社の組織と運営
・企業と従業員の関係
・紛争の解決方法
・国際法務(渉外法務)
<行政書士試験との重複>
民法・商法・会社法・個人情報保護法など重複している部分も多い

 

結果は、「86点」(得点率28.6%)と6ヵ月の学習で合格することができるかについては大変危うい結果でしたが、通しで3時間解く練習ができて次のことを体感できるのは大きなメリットであったと思います

 

・記述式は記述式個別の対策が必要
・試験を進めていく上で時間配分が難しい
・行政書士試験の問題のレベルの高さを実感
・一般知識等の足切りになる危険性を体感できる
・現在の実力を把握できる

そして、「独学か通学等かを選択するために時間を作ることができる」という点にあります。

 

 

 

学習開始直後に本試験の過去問に取り組むべき人とは?

何かしら法律の学習経験がある人」が当てはまります。

行政書士試験は5肢択一式、多肢選択式、記述式の問題があり、まず記述式の問題に手も足もでないことを体感できると思います。

 記述式の問題では、①問われた内容に関する知識、②知識を40字程度にまとめ上げる技術の両方が必要となります。そして、日頃の学習でまとめ上げるにはどのようにすれば良いのだろうと頭の片隅になければ、テキストを1周したとしてもおそらく対応できないでしょう。記述式の問題を解けるようになる起点は、記述式の問題に対する意識を持ち始めてから伸びます。そしてそのきっかけとなるのが本試験の過去問を解いて必要性を実感したときになります。

 

 次に時間配分の難しさも実感することができると思います。

 行政書士試験では3時間で60題の問題を解かなければなりません。これは、1問辺り3分で解かなければなりません。しかし、記述式の問題や毎年問58から問60までの文章理解を解くのにかかる時間は3分を超えます。一方で行政書士試験の文章理解を解くことが出来なければ、行政書士試験の一般知識等で足切りになる可能性が高くなりますので、時間配分の戦略を立てる難しさを本試験の過去問を通じて体感できます。

 

 さらに、行政書士試験の問題のレベルの高さを実感できます。法律の学習経験があったとしても想像よりも高い難易度であると理解できるでしょう。法律は日常生活のルールを決めているものなので何となく解いていくことはできるでしょう。まずは、本試験のレベルを身をもって実感し、「合格」するために必要なことを考えるきっかけとなります。

 そのうえ、一般知識等の足切りになる危険性を体感できます。

 行政書士試験の受験を決めた方の中には「行政書士試験の一般知識で足切りはありえるのだろうか?」と疑問に思っている方もある程度いるのではと思います。

 なぜならほとんどの受験生の方は、高校の授業等で、政治・経済・社会を学習した経験があり、出題は選択式の問題であるので得点が4割を下ることを考えられないからです。本試験の過去問で実際に一般知識を解いてみれば実感できますが、行政書士試験の一般知識の難易度は高いです。「特に政治・経済・社会は対策することすら難しい問題」が出題されることが多いです。

 現在の実力を計ることができるという点はメリットであると同時にデメリットにもなり得ます。早期に実力を計れることは大きなメリットです。私も、初めに本試験の過去問に取り組み「86点」しか得点できない実力を理解したからこそ、危機感もって勉強に取り組みことができました。同時に現状の点数にやる気を失う危険性を秘めています。その際は毎年9割近くが落ちる試験であると気持ちを切り替えましょう。1年近く勉強したとしても、180点に届かないのです。だからこそ、本試験をできるだけ早く体感して「どう対策するか?」について考えるきっかけを得ること大切です。

全くの初心者だと効果が無い可能性もあり

 法律自体がの初学で無かったので、推測となりますが、問われている問題が全く訳が分からないといったような状態だと効果が無いのかもしれません。例えば外国語を学ぶケースが該当します。

 学んだことがない外国語の問題をみても、「そもそも何?」といった感じになるからです。そういう場合は、最初はテキストを通して学び、基礎を身につけてから、過去問や模擬試験に挑戦するといったプロセスが必要となります。

 一方で行政書士試験は「法律」の資格試験で法律は身近にあるものなので、「そもそも何?」といった状態にはならず、まずは常識的に考えてどうかという視点で解答できることはできるので、初学者でもいきなり過去問に挑戦するというスタイルもありと考えております。

 

 解答の正誤は置いておき、常識的に考えてという点で解答できるので、行政書士試験はいきなり過去問に通しで挑戦する価値があります。そして、挑戦することによって

・記述式は記述式個別の対策が必要
・試験を進めていく上で時間配分が難しい
・行政書士試験の問題のレベルの高さを実感
・一般知識等の足切りになる危険性を体感できる
・現在の実力を把握できる

を体感できてなお、「勉強開始直後の正確な実力が図れる」ことは非常に有効です。テキストや問題集を見たことがないので知らずに学んだ過去問の知識で解けたという問題が無くなります。つまり、「正確」且つ「確実」な実力を把握できるのです。

 そして、学習開始直後であるが、本試験のレベルを感じる事により「独学か通学等かを選択」する時間を確保できます。合格を目指すのであれば大体の方は受験を考えた年の行政書士試験の合格を目指していることでしょう。テキスト1周終えて過去問に取り組んだ結果「通学(若しくは通信講座)」を利用しようとしても、今年合格するためのコースの募集が終わっていることが大いに考えられます。そういう点を踏まえると、やはり学習開始直後に過去問に通しで取り組むことは有効と言えるでしょう。

公務員試験対策から学ぶ行政書士試験対策

 

 日本トップクラスの出題範囲の広さを誇るのが公務員試験になります。大学卒業程度(専門試験あり)の公務員試験の試験範囲は次のようになります。

 

■公務員試験(大卒程度)教養試験 一般知能
文章理解:現代文、古文、漢文、英文
数的処理:数的推理、判断推理、資料解釈

 

■公務員試験(大卒程度)教養試験 一般知識
人文科学:日本史・世界史・地理・思想・文学・芸術
自然科学:数学・物理・化学・生物・地学
社会科学:政治・法律・社会・経済

 

■公務員試験(大卒程度)専門試験(行政系)
法律系:憲法・民法・行政法・刑法・商法・労働法
経済系:経済原論・財政学・経済史・経済事情・経済政策・経営学
行政系:政治学・行政学・社会学・国際関係・社会政策

 

 上の表のとおり、試験範囲は膨大です。そして、赤字で表記した科目については行政書士試験の科目と被っているわけですが、インターネット等で紹介されている公務員試験の法律科目の学習方法を調査した結果、「憲法・民法・行政法」については、ひたすら「過去問」を解いていくといった学習方法が多く紹介されていました。

 しかも教材は「スーパー過去問ゼミ」1冊をひたすら繰り返して学習することにより、合格点に達したという内容でした。

 確かに上の試験範囲に取り組むとなれば、配点が高い分野を重点的に学習することや、如何に効率的に学習するかということを考えて学習しなければなりません。

 公務員試験ほどではないですが、行政書士試験の試験範囲も広い部類に入ります。試験日まで試験範囲を網羅するという点を考慮すると、過去問から学習というスタイルは間違いではないでしょう。

さいごに

本記事を通して、行政書士試験の勉強を開始するのであれば、まずは本試験の過去問に挑戦することをお勧めしております。

よく、行政書士試験の勉強開始前に、「独学」か「通学(もしくは通信講義)」かを考える方がいますが、最初に本試験の過去問を通しで解いて現状を把握してから「独学」か通学(もしくは通信講義)」を検討すべであり、テキストを1周してから本試験の過去問に取り組むのであれば、今年合格のための通学を通えなくなる可能性があります。

以上のことを踏まえて、始めに本試験の過去問に取り組むか否か検討していただければ幸いです。

一般財団法人行政書士試験センターのホームページに過去の試験問題が公表されていますが、著作権の関係で一部の問題は公表されていないので、できれば書店で購入して本試験の過去問で実際に解いてみるのが良いでしょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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