行政書士試験:一般知識(政治・経済)の出題傾向を調査

 行政書士試験の一般知識では政治・経済の学習はどういった出題がされるでしょうか。

 

 正確に出題範囲を捉え、最近の出題傾向を掴むことができれば、日頃の学習を効果的に行うことができるでしょう。

 政治・経済の学習の方法を調べると色々な教材や学習方法が出てきます。

 色々な学習方法が出てくるのは、範囲が広いということですが、最近の傾向はどうでしょうか。出題範囲の研究と学習方法、管理人の学習した方法も兼ねて解説します。

 長くなったので、社会については別記事にて掲載しております。

政治・経済の学習方法について

 ネットで行政書士試験の政治・経済・社会の学習方法を調べると色々な学習方法が出てきます。例えば

①大学入試用の政治・経済・社会のテキストで勉強
②公務員試験用の「速攻の時事」で勉強
③ニュース検定(ニュース時事能力検定)の教材で学習

 

の3つが代表的に取り上げられた学習であると思います。
私も実際に受験生であったころ、学習方法を調べまわりました。

確かに、どの方法も良い対策方法です。しかし、行政書士試験の一般知識で政治・経済を学習には、時間配分が非常に重要となります。

次の出題傾向調査をご覧ください。

 

出題傾向調査:行政書士試験の政治・経済

 まず紹介するのは高等学校で教科書として採用されている「政経312 高校政治・経済 新訂版」(A5判 248頁)の目次です。見ただけれ膨大な範囲が読み取れますよね。

政経312 高校政治・経済 新訂版
第1編 現代の政治
第1章 民主政治の基本原理
[1] 政治と法
[2] 民主政治と人権保障の発展
[3] 国民主権と民主主義の発展
[4] 世界の政治体制
第2章 日本国憲法の基本的性格
[1] 日本国憲法の成立
[2] 平和主義
[3] 基本的人権の保障
[4] 人権のひろがり
第3章 日本の政治機構
[1] 立法
[2] 行政
[3] 司法
[4] 地方自治
第4章 現代日本の政治
[1] 戦後政治の歩み
[2] 選挙制度と政党
[3] 政治参加と世論
第5章 現代の国際政治
[1] 国際政治の特質と国際法
[2] 国際連合と国際協力
[3] 現代国際政治の動向
[4] 核兵器と軍縮
[5] 国際紛争と難民
[6] 国際政治と日本
第2編 現代の経済
第1章 経済社会の変容
[1] 経済活動の意義
[2] 経済社会の形成と変容
[3] グローバル化と現代資本主義経済
第2章 現代経済のしくみ
[1] 市場機構
[2] 現代の企業
[3] 国民所得と経済成長
[4] 金融のしくみ
[5] 財政のしくみ
第3章 現代経済と福祉の向上
[1] 戦後復興と経済成長
[2] 経済の停滞と再生
[3] 日本の中小企業と農業
[4] 国民の暮らし
[5] 環境保全と公害防止
[6] 労使関係と労働条件の改善
[7] 社会保障の役割
第4章 世界経済と日本
[1] 商品・資本の流れと国際収支
[2] 国際経済体制の変化
[3] 金融のグローバル化と世界金融危機
[4] 地域経済統合と新興国の台頭
[5] 経済協力と人間開発の課題
第3編 現代社会の諸課題
1 地域社会の変貌と住民生活 地域社会をいかに活性化するか
2 中小企業の新しい変化 中小企業の活力をどのように満たすか
3 農業、農村と食料、環境問題 農業の自由化・企業化論と農業・農村保護・食料安保論
4 雇用と労働をめぐる問題 安定した雇用か、多様な働き方か
5 これからの社会保障のあり方 生活保障か、勤労の義務づけか
6 地球環境の保全と経済成長 地球温暖化対策と経済成長は両立するか
7 原子力と再生可能エネルギー エネルギー政策をどのように講じるか
8 人種・民族問題 多様性を許容する社会の形成をめざして
9 国際経済格差の是正と国際協力 貧困削減をどのように成しとげるか
10 国際社会における日本の立場と役割 「国益」の重視か、「人類益」の追求か
巻末資料
さくいん

引用元:詳細(政経312 高校政治・経済 新訂版)|地歴・公民|高等学校 教科書・副教材|実教出版 (jikkyo.co.jp)

第2章と第3章は「憲法」で学習するとしてページ数を考えると膨大にあります。
そして、高校で習う政治・経済該当する問題です。

膨大な範囲が読み取ることができますよね。大学入試の参考書で勉強するというのはこの膨大な範囲の対策をするということになります

そして、近年出題されている政治・経済については次の表のとおりになります。

出題年度科目問題番号出題内容備考
令和2年政治47普通選挙に関する次の記述のうち、妥当なものを選択する問題
令和2年経済49日本のバブル経済とその崩壊に関する次の文章の空欄
令和2年経済50日本の国際制度とその運用に関する問題
令和2年経済52新しい消費の形態に関する問題傾向:時事
令和元年政治47次の各年に起こった日中関係に関する問題傾向:日本史
令和元年政治48女性の政治参加に関する問題傾向:時事
令和元年政治49次の各時期になされた国の行政改革の取組に関する問題
令和元年経済50日本の雇用・労働に関する問題傾向:時事
令和元年経済51経済用語に関する問題
令和元年政治52元号制定の手続に関する問題
平成30年経済50近年の日本の貿易および対外直接投資に関する問題
平成29年政治47各国の政治指導者に関する問題当時話題の鬼門
平成29年政治49最近の日本の農業政策に関する問題傾向:時事
平成29年経済50ビットコインに関する問題傾向:時事
平成28年政治47日本と核兵器の関係に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
平成28年政治482015年夏に成立し公布された改正公職選挙法*に関する問題傾向:時事
平成28年政治49近年に設置された日本の中央政府の庁に関する問題傾向:時事
平成28年経済502016年2月に署名されたTPP(Trans-Pacific Partnership)協定に関する問題傾向:時事
平成28年経済51日本の戦後復興期の経済に関する問題

平成28年度から平成30年度までの時事問題の傾向が強く、政治・経済の問題数と比較して、令和元年度から現在まで、政治・経済の出題が多くなりました。

①の「大学入試用の政治・経済・社会のテキストで勉強」というやり方も一理あります。

 

 ただし、平成30年度の試験のように政治・経済の問題がほぼ出題されないということもあり得ます。

 一方で時事問題については、最近は政治・経済についての時事は少なくなったものの、社会については時事問題の傾向が強いので、時事の勉強も欠かせない状態です。②、③の「公務員試験用の速攻の時事」や「ニュース検定」で時事等を学習するというのも納得です。

 

 ただし、「政治・経済」の範囲が以前よりも取り組みやすくなった風に見受けられるが、高校の教科書の目次と出題問題を見比べていただければ分かるように、どこから出題されるか不明なうえ、過去問と同様の問題は出題されていません。

 そうなると、文章理解情報通信および社会の時事問題で対策を練り、一般知識の得点源としていく戦略が良いと思われます。

一般知識での政治・経済の優先順位は

一般知識では政治・経済・社会・情報通信・文章理解が出題されます。

・政治経済は一般知識の中で最も優先順位が狭いと言えるでしょう。

仮に順位をつけるのであれば

文章理解>情報通信>社会>政治・経済

が良いのではと考えます。

理由としては①文章理解は出題が固定されており、対策を十分に行えば満点を狙える科目であること。②情報通信は政治・経済・社会と比較して範囲が狭く、対策を練りやすい科目であること。③社会は時事の問題が多く政治・経済より得点の期待値が高いため、④政治・経済は範囲が広く、問題を予想できず得点の期待値が低いので優先順位は最下位としております

まとめ

 ここまで、書いた内容をざっくりとまとめると、

①政治・経済の最近の傾向は高校の政治・経済で学ぶ内容を学習すれば取れるようになってきているが平成30年度の場合のようにほとんど政治・経済の出題されない年もあり得る。
②学習範囲が非常に広く予想も困難なので、優先順位は低い

優先順位を考慮し、適切な対策をしていただければ幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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