今回は、行政書士試験、民法の独学での学習方法がテーマです。
この記事では、
- 民法を学習する上でのポイント
- 独学での民法の学習方法
を解説します。
民法を学習する上でのポイント
民法の学習を始める上で意識したほうがよい点があります。
- まずは「分からなくても当然」というスタンスで一通り学習する
➡民法はパンデクテン法学と言われる法律の作り方をされており、共通して問題となるテーマを最初に持ってきて、個別的なテーマは後ろの方で検討するという作りになっています。
例えば、民法は「総則」→「物権」→「債権」→「親族・家族法」という並びですが「総則」に時効のテーマがありますが、時効の個別論点としては債権を学び終えてようやく時効の学習が完了します。
- 記述式問題の対策と併せて五肢択一式問題を解く力をつけよう
「行政書士試験の民法は過去問のみでは通用しない」という噂があります。実際に大手通信教育予備校でも「過去問のみでは十分ではない」という認識です。ただし、行政書士試験の民法は40点分配点がある記述式問題があります。記述式のの対策の過程で五肢択一式問題を解くことができる知識を補填していくというスタンスで取り組みましょう
過去問対策が通用しない!?
正確には,過去問対策が通用しないわけではありません。過去問の勉強は重要です。
ですが,過去問の知識が再度問われることが少なく,過去問で出ていない重要な部分についても出題されています。そのため,過去問対策が必ずしもそのまま得点に結びつくわけではなくなっています。
引用元:https://agaroot.jp/gyosei/column/minpou/
- 民法は行政書士試験全体での配点が高く記述式対策が重要な科目
行政書士試験の民法は76点分すなわち試験全体の25%を超えた配点があり、そのうち記述式の配点が40点あります。記述式の対策が重要というのはその配点の高さもありますが、前述の通り五肢択一式問題対策という点でも重要となります。
- 満遍なく学習が必要となる。
行政書士試験の民法は
- 総則
- 物権
- 債権
- 親族・家族法
に分類されますが、「頻出の範囲はここです。」というより満遍なく学習する必要があります。以下は、過去の出題実績となります。
行政書士試験の民法五肢択一式問題出題実績
●総則
・令和元年度:2問
・平成30年度:2問
・平成29年度:2問
・平成28年度:2問
・平成27年度:2問
●物権
・令和元年度:3問
・平成30年度:2問
・平成29年度:2問
・平成28年度:3問
・平成27年度:3問
●債権
・令和元年度:3問
・平成30年度:3問
・平成29年度:4問
・平成28年度:3問
・平成27年度:3問
●親族・家族法
・令和元年度:1問
・平成30年度:2問
・平成29年度:1問
・平成28年度:1問
・平成27年度:1問
行政書士試験の民法記述式問題出題実績
●民法
令和2年:相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合の意思表示の取消し
令和2年:背信的悪意者
令和元年:共有物
令和元年:第三者のためにする契約
平成30年①:成年後見人に対する追認、催告に関する問題
平成30年②:譲与契約
平成29年①:債権の譲渡
平成29年②:不法行為による損害賠償請求権
平成28年①:抵当権
平成28年②:親族、離婚の財産上の法的効果
上記の出題実績から、どの範囲も満遍なく学習することが重要となります。
親族・家族法の出題は少ない傾向にありますが、記述式問題として出題される年もあり、受験する年によっては、足元を掬われる可能性があります。
行政書士試験 民法の独学学習方法
それでは、行政書士試験の行政法の学習はどのようにしていけば良いのか。経験を踏まえて紹介します。
①「合格革命 行政書士試験 肢別過去問集」を解いていく。
まずは、(体系別かつ肢別の)過去問から解いていきます。
経験上、書いてあることは皆無ですが、解説を読んで頭の片隅に入れることが大切です。「合格革命 行政書士試験 肢別過去問集」でどのような問題が出題されるのかというところを見れるので、テキストの中でどの部分を覚える必要があるのかという点を見ることができます。
また、解説は太字のところをより意識すると効果的です。
・問題➡テキストを見るという学習で要点を押さえ学習効果を高めることができる。
・過去問は力試し目的であれば年度別、学習ツールとしてであれば、体系別かつ肢別を利用しよう
過去30年分の肢別の正誤が分かれば、選択肢をだいぶ削ることができます。
①で解いていった部分のテキストを見ていきます。意識するポイントとしては、肢別過去問の正誤を判断するための知識はどの部分に書かれているかという点で見ていくと効率的です。
また、理解が難しいところは飛ばして先に進むようにしていけば良いです。
・後ほど行う記述式の対策する過程では、選択式問題を解く力が向上しますので、まずは先に進めることを意識しましょう。
③ 再度①で進めた部分を解き直す。
テキストで復習し終えたあとにまた「合格革命 行政書士試験 肢別過去問集」を解き直します。
できるだけ期間をあけずに解き直しましょう(私は当日に解き直しました。)
④記述式問題集を解く。
☑行政法よりも記述式対策は重点的に行う
民法の記述式は行政法の配点の2倍あるのみではなく、五肢択一式問題の得点力UPにも重点を置いています。そのため、学習する比率も民法により多く時間を確保したいところです。私の場合は記述式問題を周回する回数を行政法:民法=1:2の割合でやっていました。
☑1周目は書いていく 記述式問題は書かなければ、覚えることはできません。書いて解答のコツを身に着けましょう。
☑2周目以降は時間短縮を意識することも大切
記述式問題も何回も繰り返さない限り定着しません。ただし、時間が掛かりますので例えば、問題と解答を読み込む勉強をする(書かない)やパソコンにタイピングする(記述時間の短縮)の他に、過去問部分の省略(出題される可能性が低いことから)し解答する問題数を減らすなどの工夫をして周回するための工夫が必要です。
⑤予想模試を解く(出題された多肢選択式、記述式問題集の問題は覚える。)
予想模試には毎年多くの的中実績があります。出題された問題を覚える➡本試験での得点力UPに繋がりますので、覚えましょう。
本試験の過去問を10年分解く時間がもしあるのであれば、市販の模試を10回分解きましょう。
なぜなら、本試験の過去問は肢別過去問集で学習済みであるため、実力を測るツールになりえない上に、記述式問題などは同じ問題が出題されないからです。
まとめ
- 民法は満遍なく学習する。
- まずは「分からなくても当然」というスタンスで一通り学習する。
-
民法は行政書士試験全体での配点が高く記述式対策が重要な科目
を意識して学習をすすめることをおすすめしています。
記述式については以下の記事でも解説しておりますので、見ていただければ幸いです。
以下は他の科目の学習方法となります。よろしければご覧になってください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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